指先の寒さに限界を感じてブラックダイヤモンドのグローブ「スタンス」と、ノースフェイスの「フェイキーミット」を購入したので、その経緯や考察を書いてみました。
体感温度から必要なグローブを探し出してみた
いつも自転車通勤なので秋の終わり頃から冬は常にグローブ(手袋)を使用しています。住んでいるエリアの最低気温は約-3度。この気温の中で自転車を漕ぐと自転車用のグローブや一般用途のグローブを使っていても手の感覚がすぐなくなるので、参考値として体感温度を計算して必要な性能を調べてみました。
気温は最低気温で、湿度も平均湿度、風速は自転車でゆっくり漕いだときの時速約15kmで無風に近い場合として風速4mで仮置き。
気温-3度、湿度30%、風速4mで計算すると体感温度は-11.6度、、まじっすか。
真冬の最低気温まで対応しなくても、0度までは何とかしたい、、
気温0度、湿度30%、風速4mで計算すると体感温度は-8.5度。このぐらいは欲しいところ、、そこでブラックダイヤモンドは対応温度域の参考値が書かれているので、これを参考に必要なグローブを探してみた。
携帯性に優れたパッカブルグローブ『スタンス』
ブラックダイヤモンドのスタンスは、対応温度域-9/4度!ぴったり!
ほかにも対応グローブはたくさんあったのですが、基本登山用なので見た目がすごくて街中用としては迫力がありすぎる、その中でもおしゃれさと携帯性、防寒性のバランスが良かったのがこのスタンスでした。
グローブの表面は、パーテックス®エンデュランスシェル
中には、甲とパームにプリマロフト®ゴールドインサレーション(133g/平米)
シェルがビニールのナイロン風で頼りないですが、中に入っている素材はプリマロフトのゴールドということで、それなりに期待大です。
この説明を見る限り、防風や保温に加え、撥水性や通気性もありそうですね。
手の周囲のサイズがちょうどSとMの間だったので、指先のデッドエアーのことも考えて少し大きめかもしれないMを購入しました。
手のひら部分にはゴートレザーが付いています。
内側は起毛しているので、冷たい環境化で装着しても比較的冷たさが和らぎます。
付けるとこんな感じです。ぱっと見は普通のナイロングローブ。登山メーカーのグローブには見えないと思います。
ダウングローブのようにふんわりしています。
約85gと軽いので持ち歩く際にも負担にならなくていいです。
パッカブルなので、コンパクトに畳めるのが売りのグローブ。袋付きです。
実際に袋に入れてみました。そんなにコンパクトじゃない気もします、、
実際に自転車に20分ほど乗ってみました。
意外と蒸れにくいようで気温10度でもグローブの中は快適でした。シェルが柔らかいこともあり、ハンドルも握りやすかったです。 薄いシェルなので引っかけて破れないかだけ心配ですね。
気温8度の中でも走ってみましたが、快適そのもの。5度だと、20分走りきる頃から少しずつ冷たさが伝わってくる感じがありました。3度ぐらいで風圧を受け続けていると数分後にやっぱり徐々に指先にヒンヤリ感を感じます。感覚がなくなったりはしないですが、このあたりが境目かなと思います。
私個人の使用用途でいくと、気温12度~3度までの自転車通勤は快適。3度~0度は使用可能温度の下限という感じですかね。
食後と空腹の違いだけでも指先の冷え方は全然違うので、私個人でも誤差は大きいのですが、ざっとこんな感じでした。
ノースフェイスの『フェイキーミット』
話の流れ的には、スタンスより耐寒性能のグレードが1つ上のブラックダイヤモンドのグリセード-1度~-17度(摂氏)辺りと比較できればいいのでしょうが、なんせ手首の袖口が長くて、さらにゴツいという自転車通勤用途では不便そうなので、ノースフェイスのミットタイプのグローブで妥協しました。0度以下の環境下で長時間運転する場合などはグリセードの方が安心感はあると思います、、
ノースフェイスのフェイキーミットは、-3度に対応できるグローブを探していて、いつのまにかここにたどり付いて購入したものです。
自転車通勤で体感する指先の冷たさはかなり嫌なので、5本指グローブは真っ先に選択しから外しました。保温を突き詰めていくとやっぱりミトンタイプが最強だと思います。グローブの中で指同士を重ねられること(手をギュッとできる)、グローブの冷たい生地に触れない空間を作れることは大事ですね。
表地/Nylon Faille weave HYVENT(2層)
Primaloft Black ECO 200g
表地は防風透湿のハイベント、プリマロフトはブラックエコ。スタンスのプリマロフトゴールドとどのくらい違うのか分かりませんが、、ミトンの構造上同じレベルであればより寒さに対応できるだろうと思っています。
0度までいけそうなグローブでおしゃれそうなものは中々見つからず(いかにも登山用、いかにもスノースポーツって感じのデザインが多く)、、結局スノーボード用の中から袖口の長さが短いタイプを選びました。
手の内側には合成皮革がびっしりと。自転車でのグリップもなかなかです。
中はボア仕様になっていてあったかです。
こちらもMですが指先はゆとりがあります。ハイベントだけあって表面はしっかりとした生地感があります。ゴアテックスまでの性能はいらないかなと。という言い訳。
5本指のグローブと比べるとブレーキなどの操作に不安はありましたが、実際に運転したところ大丈夫そうでした。折りたたみ自転車をたたむときだけ不便さを感じます。
実際に自転車に20分ほど乗ってみました。
このグローブはスタンスと比べかなりしっかりとした生地ため、ブレーキングに若干慣れが必要ですが、そんなにスピードも出さないので大丈夫そうでした。
気温10度で走ってみました。15分もすると手の甲で湿気を感じました。さすがに使用する気温が高すぎたようです。5度前後でも走ってみましたが、この辺りの気温だと快適そのもの。-3度で自転車通勤を体験しました。10分ほどするとさすがに内側のボア部分まで冷えてきますが、ミトンでハンドルを握ると甲の部分に空間ができます。ここに大きなデッドエアできて手を包み込むようで、痛くもなく指の感覚もなくならなかったです。ブレーキングなどで外側の生地に触れると冷たッとなりました。
やはり当初の予想は当たりミトンタイプはありだと思いました。5本指のグローブは指1本1本が外気と隣り合わせなので、その違いは大きそうです。
スタンスとフェイキーミットを比べてみた
サイズはともにMサイズなのでほぼ同じサイズですね。価格もほぼ同じなので、耐寒性能もそんなに違わないと思うのですが、5本指とミトンタイプの違いで指先の体感が変わっているようでした。
甲の部分を指で挟んでみるとスタンスはふんわり薄め、フェイキーミットはみっちり板状の中綿がびしっと詰め込まれていて厚め。通気性はハードシェルのミトンの方が少なく、比較すると蒸れやすいかもですね。ソフトシェルのスタンスの通気性が思ったよりも良かったと言った方が正しいかもしれません。
ミトンタイプもゴツくて肉厚のあるタイプだと防寒性も余裕があるのだと思いますが、普段用だと見た目もそれなりに大事なのでフェイキーミットで良かったと思いました。
スタンスの性能が思ったよりも高かったので、フェイキーミットとの使い分けが難しいかなと思ったのですが、フェイキーミットの個人的な使用範囲は蒸れを考慮して、気温5度~ -3度ぐらい。何となくの体感で書いたスタンスの気温12度~3度。
蒸れずに使い勝手のいいスタンスと、蒸れやすいけど保温力が高いフェイキーミット。差別化はできているのかもしれませんね。